- すき
- I
すき【主基・次】〔「つぎ(次)」の意〕大嘗祭(ダイジヨウサイ)のとき, 神事に用いる新穀を捧げる国郡。 悠紀(ユキ)とともに卜定(ボクジヨウ)によって選ばれる。 主基の国。→ 悠紀IIすき【好き】〔動詞「好く」の連用形から〕(1)心がひきつけられること。 気持ちにぴったり合うさま。⇔ 嫌い「~な音楽」「明るい色が~だ」「~になる」(2)片寄った好み。 また, 物好きなさま。
「~も度が過ぎる」「~だなあ, この寒空に釣りとは」
(3)色好みであること。「~者」
(4)思いのままであること。 気ままなこと。 また, そのさま。「~なことを言う」
(5)「すき(数寄)」に同じ。「歌枕ども見んとて, ~に事寄せてあづまの方へ行きけり/無名抄」
→ ずき~こそ物の上手(ジヨウズ)なれ何事によらず, 好きであれば自然それに熱中するので, 上達する。~にする気に入るようにする。 思い通りにする。 勝手にする。III「いやなら, ~しなさい」
すき【数寄・数奇】〔「好き」と同源。 「数寄」「数奇」は当て字〕風流・風雅の道。 和歌・茶の湯・生け花など, 風流の道を好むこと。「~三昧(ザンマイ)」
~を凝(コ)ら・す風流な工夫をいろいろとほどこす。IVすき【梳き】(1)髪をくしけずること。(2)「すきぐし」の略。「鬢さん, ~はよしか/滑稽本・浮世床2」
(3)「すきあぶら」の略。V「板を一本と, ゑりつけと, くこと, ~と/洒落本・青楼昼之世界錦之裏」
すき【漉き・抄き】紙をすくこと。VI「手~」「機械~」
すき【鋤・犂】(1)幅の広い刃に柄をつけた櫂(カイ)状の農具。 手と足で土を掘り起こすのに用いる。 《鋤》(2)牛馬に引かせて土を掘り起こす農具。 からすき。 《犂》VIIすき【隙・透き】〔動詞「透く」の連用形から〕(1)物と物との間。 間隙。「戸の~から明かりがもれる」
(2)あいている部分。 余地。「家が少しの~もなくたてこんでいる」
(3)気持ちのゆるみ。 油断。 乗ずべき機会。「相手の~につけこむ」「~を見せる」
(4)時間の合間。 ひま。「ちょっとした~に片付ける」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.